救急医療の現状に関する問題点
救急医療は非常に重要な医療分野であり、その地域の住民の健康や命に直接関わるほどの影響力を持っている。しかし、この分野の現状を考えた場合、いくつかの問題点が生じている。最近の大きな特徴としては、高齢者の事例が増えたということが挙げられる。高齢化が進む社会では当然とも言えることだが、この年代が増えることで脳梗塞、心筋梗塞など一刻も早い治療が必要な病気の症状が出る人が多くなっている。さらに一人暮らしの高齢者も増えているが、この場合は普段体調が優れなくても病院に行かないで我慢するような人達も多く、そうしているうちに病気の症状が進んで倒れるような事例も出ている。
またその一方で、軽症で本来なら救急の治療を必要としないような人達が、気軽に救急車を呼ぶ例も増えているので、本当に必要とする人達が利用しにくくなるという可能性も出てきている。そして、救急の医療を対象とする病院では、患者数の増加や責任の重さなどから離職する医師や看護師も多く、地域によっては大きな問題になっていると言われている。
ただし、その一方で、救急医療で人命を救うことに生きがいを感じる医療関係者が多いこともまた事実である。これから救急医療の需要がますます増えていくことが予想されるので、一般の人達にこの分野の大切さと普段からの心構え、利用する際の注意点などをしっかりと伝えた上で、この分野で働く人達がその中で十分に力を発揮してやりがいを感じられるような体制を作っていくことが望ましいと言えるだろう。